montage2018
2018.8
鴨江アートセンターで開催した個展montage
合成画の意味をもつフランス語montageを作品と展示会のタイトルに、写真と布を組み合わせたアートの表現となりました。
この世界では、誰しもが他者によってmontageされている。
今回、発表する作品の共通テーマは「異素材の重なり」です。
従来の布同士が織りなす平面の美しいデザインに、写真やオーガンジーなどの異なる素材を組み合わせました。
さらには、まったく異なる別画面や虚像の景色をレイヤーに分けて重ねることで、
平面の作品には存在しえない立体的な空間を表現することに試みました。
合成画におけるモンタージュ技法の表現では、
作り手の意図的な組み合わせから観客のアイデアにイメージを与えることはできますが、
完全にコントロールすることは不可能です。
むしろ観客に生まれたアイデアはさらなる連鎖を生み、
新たな意味を成していくことこそが成功と言えるでしょう。
私たちは人や物事を目にしたとき、その物の持ついくつかの要素がそれぞれに印象となって残り記憶されます。
例えば、背後の景色、着ている洋服、言葉や香りなどの沢山の要素は、
今まで見てきた自分の経験や知識の中の情報と重なり、そのすべてが印象を左右する判断材料になるのです。
いま目にした人や物事の本質は変わらずとも、見る人によって印象は異なる。
あなたも誰かをmontageし、同時に他者からmontageされているのではないでしょうか。
Kaho Suzuki
個展montageの感想を書いた記事はこちらから。
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